聖クルアーン
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本章は,第224節以下で詩人と預言者との区別が指摘されるにちなみ,詩人たち章と名付けられる。これから29章までの4章は,預言者たちの精神と精神的光との関係,およびその間に現われた共同体に対する反発運動について記される。ムーサーの物語では,フィルアウンとの戦いとフィルアウンの敗北について記される。その他イブラーと―ム,ヌーフ,フード,サーリフ,ルートおよびシュアイブについて記される。そしてクルアーンは,既成の啓典に続く教えであり完成である。また真理であり,詩人の詩とは別個のものであることが明らかにされる。本章はマッカ時代中期の啓示に属し,最も高慨な態度のマッカの多神教徒から迫害されていたときである。だが最後の勝利はムスリムのものであることの自覚が促がされている。 内容の概説 第1−69節,不信心と真理の闘争は無益なことである。フィルアウンとムーサーの闘争もそうであった。フィルアウン側の魔術師は真理の前に頭を下げ,フィルアウンとその一族を溺れさせた。第70−122節,イブラーヒームの人びとは,その宣教した真理を拒否して何も得るころはなかった。またヌーフの人びとは,不信心のため破滅した。第123―166節,フードは,かれの人びとが物質的な力に信頼することについて,またサーリフは,アッラーの冒(演?)について警告した。しかしそのどちらの場合も,その警告を拒んだので失敗させられた。第167−191節,ルートはいうにいわれぬ多くの罪を,またシュアイブは不真実な扱いおよび災厄を,処理しなければならなかった。かれらの教えは拒まれたが,拒んだ者は掃滅された。第192−227節,預言の聖霊がマッカに下ったとき,悪魔への心酔者の反抗を受けた。しかし真理は,虚しい詩とは異なるため最後の勝利は必ず来るのである。
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。  
ター・スィーン・ミーム。1
   
これは明瞭な啓典の印である。2
   
かれらが信者になろうとしないため,あなたは多分,死ぬ程苦悩していることであろう。3
   
もしわれがそのつもりとなり,天から印を下せば,かれらはそれに恐れ入って謙虚になるであろう。4
   
だが,慈悲深き御方からかれらに新しい訓戒が(時?)される度に,かれらはいつも背き去る。5
   
かれらは(それを)嘘であるとする。だが今にその愚弄することが,其実となって,かれらに降りかかるのである。6
   
かれらは,かの大地を見ないのか。如何に多くの,凡ての尊いものを,われはそこで育てるかを。7
   
本当にその中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。8
   
本当にあなたの主,かれは偉力ならびなく慈悲深い御方である。9
   
あなたの主がムーサーに呼びかけ,こう仰せられた時を思いなさい。「不法な民の許に行け。10
   
フィルアウンの民の許に。かれらは主を畏れないのか。」11
   
かれは申し上げた。「わたしの主よ,かれらがわたしを(蟻?)付き呼ばわりすることを恐れます。12
   
わたしの胸は圧迫され,またわたしの舌は(艇?)れます。ですからハールーンを,遺わし(助け)て下さい。13
   
また(その上)かれらは,わたしに罪を科しているので,わたしを殺すのを恐れます。」14
   
かれは仰せられた。「決してそうではない。あなたがた両人は,わが印を持って行け。本当にわれは,あなたがたと一緒にいて,聞いているのである。15
   
それであなたがた両人は,フィルアウンの許に行って言ってやるがいい。『わたしたちは,万有の主から遣わされた使徒であるから,16
   
イスラエルの子孫を,わたしたちと一緒に行かせて下さい』と。」17
   
かれは言った。「あなたは幼少の時,わたしたちの間で育てられたではないか。あなたの生涯の多くの年月を,わたしたちの間で過ごしたではないか。18
   
それなのにあなたは酪いことをしでかしたものだ。あなたは恩を忘れる者の仲間である。」19
   
かれ(ムーサー)は言った。「わたしが,それを行ったのは邪道に踏み迷っていた時のことである。20
   
それでわたしは恐ろしくなって,あなたがたから逃げだした。だが,主はわたしに知識を授けて,使徒の一人となされたのである。21
   
あなたはイスラエルの子孫を奴隷としておきながら,それがわたしに好意を示す恩恵であるとでもいうのですか。」22
   
フィルアウンは言った。「万有の主とは,何ですか。」23
   
かれ(ムーサー)は言った。「天と地,そしてその間の凡ての有の主であられます。あなたがたがもし(これを)悟ったならば。」24
   
かれ(フィルアウン)は,左右の者に向かって言った。「あなたがたは聞きましたか。」25
   
かれ(ムーサー)は言った。「あなたがたの主,また昔からのあなたがたの祖先の主でもあられます。」26
   
かれ(フィルアウンは左右の者に)言った。「あなたがたに遣わされたこの使徒は,本当に気違いです。」27
   
かれ(ムーサー)は言った。「東と西,またその間にある万有の主であられます。あなたがたがもし理解するのであれば。」28
   
かれ(フィルアウン)は言った。「あなたが,もしわたし以外に神を立てるならば,わたしは必ずあなたを囚人にするでしょう。」29
   
かれ(ムーサー)は言った。「わたしがもし,明白な何物かを,あなたに(有?)してもですか。」30
   
かれ(フィルアウン)は言った。「あなたの言うことが本当なら,それを示しなさい。」31
   
それで(ムーサー)は杖を投げた。見るがいい。それは明らかに蛇となる。32
   
またかれの手を差し伸べると,見るがいい。それは誰が見ても真っ白である。33
   
かれ(フィルアウン)は左右の長老たちに言った。「本当にこれは,老練な魔術師である。34
   
かれはその魔術で,あなたがたをこの国から追い出そうとしている。それであなたがたはどうしようというのか。」35
   
かれらは言った。「(久しく)かれとその兄弟を待機させ,使いの者を諸都市に遺わし,36
   
凡ての老練な魔術師をあなたの許に召し出されよ。」37
   
そこで魔術師たちは,決められた日の決められた時刻に集められた。38
   
また民衆に向かっても,「あなたがたは(全部)集合したのか。」と告げられた。39
   
(人びとは言う。)「魔術師の方が勝てば,わたしたちはかれら(の教え)に従おうではないですか。」40
   
魔術師たちはやって来るなり,フィルアウンに言った。「わたしたちが勝てば,必ず褒美があるでしょうか。」41
   
かれ(フィルアウン)は言った。「勿論である。その場合あなたがたは,必ず側近となろう。」42
   
ムーサーはかれらに向かって言った。「あなたがたの投げるものを,投げなさい。」43
   
そこでかれらは,縄と杖を投げて言った。「フィルアウンの御威光に誓けて,わたしたちは必ず勝利者になろう。」44
   
その時ムーサーが杖を投げると,見るがいい。それはかれらの捏造したものを,呑み込んでしまった。45
   
そこで魔術師たちは,さっと伏しサジダして,46
   
言った。「わたしたちは,万有の主を信じます。47
   
ムーサーとハールーンの主を。」48
   
かれ(フィルアウン)は言った。「あなたがたは,わたしの許しも得ないうちにかれを信じるのか。きっとかれは,あなたがたに魔術を教えた,あなたがたの首長であろう。だが,やがて思い知るであろう。わたしは必ずあなたがたの手と足を互い違いに切断し,あなたがたを,凡て磔の刑にするであろう。」49
   
かれらは言った。「構いません。わたしたちは,自分の主の許に帰るだけですから。50
   
わたしたちの願いは,只主が,わたしたちの数々の過ちを赦され,わたしたちが信者たちの先がけになることです。」51
   
われはムーサーに,「わがしもべたちと一緒に,夜の間に旅立て。あなたがたは必ず追手がかかるであろう。」と啓示した。52
   
その時フィルアウンは,使いの者を諸都市に遣わし,53
   
(言わせた)「これらの者は,ほんの少数の群れに過ぎないのです。54
   
かれらは,わたしたちに腹を立てているでしょうが,55
   
わたしたちは,警戒を整え,軍勢も多いのです。」56
   
それでわれは,かれらを果樹園や泉から追い出し,57
   
財宝や栄誉ある地位から追放した。58
   
そんな次第であった。そしてわれはイスラエルの子孫たちに,これらのものを(外の所で)継がせた。59
   
さてかれら(フィルアウンの軍勢)は日の出の時,かれらを追って来た。60
   
両者が互いに姿が見えるようになると,ムーサーの仲間は言った。「わたしたちは,必ず追いつかれるであろう。」61
   
かれ(ムーサー)は言った。「決して,決して。本当に主はわたしと共におられます。直ぐに御導きがあるでしょう。」62
   
その時,われはムーサーに啓示した。「あなたの杖で海を打て。」するとそれは分れたが,それぞれの割れた部分は巨大な山のようであった。63
   
われはまた,外の群をそこに誘き込んだ。64
   
そしてわれは,ムーサーそしてかれと共にいた人びと凡てを救った。65
   
だが他の者たちを,溺れさせた。66
   
本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。67
   
本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深くあられる。68
   
イブラーヒームの物語をかれらに語りなさい.69
   
かれが父親とかれの人びとに向かって,「あなたがたは何を崇拝するのですか。」と言った時を思い起しなさい。70
   
かれらは言った。「わたしたちは偶像を崇拝し,いつもこれに仕えるのです。」71
   
かれは言った。「あなたがたが祈る時かれら(偶像)は聞くのか。72
   
またかれら(偶像)は,あなたがたを益するのですか,それとも害するのですか。」73
   
かれらは言った。「いや,わたしたちの祖先が,こうしているのを見たのです。」74
   
かれは言った。「それならあなたがたは,あなたがたが今迄崇拝してきたものに就いて考えてみたのですか。75
   
あなたがたも,昔の祖先たちも(崇拝していたものに就いて)。76
   
万有の主を除いては,かれらはわたしの敵です。77
   
かれはわたしを創られた方で,わたしを導かれ,78
   
わたしに食料を支給し,また飲料を授けられた御方。79
   
また病気になれば,かれはわたしを癒して下さいます。80
   
わたしを死なせ,それから生き返らせられる御方。81
   
審判の日には,罪過を御赦し下されるよう,わたしが願い望む方である。82
   
主よ,英知をわたしに授け,正しい者たちの仲間に入れて下さい。83
   
わたしを後々の世まで真実を伝えた者として下さい。84
   
わたしを至福の園を継ぐ者になされ,85
   
わたしの父を御赦し下さい。本当にかれは迷った者の仲間ですが。86
   
また(人びとが)復活させられる日に,わたしの面目を失わせないで下さい。87
   
その日には,財宝も息子たちも,役立ちません。88
   
ただ汚れのない心を,アッラーに棒げる者だけは別ですが。」89
   
楽園は,主を畏れる者に近付けられ,90
   
邪道に迷った者には,火獄が現われよう。91
   
そしてかれらは言われよう。「あなたがたが,崇めていた(神々)は何処にいるのですか。92
   
アッラーを外にして(拝していたもの)はあなたがたを助けられるのですか,または自分自身を助けられるのですか。」93
   
そこでかれらも誘惑した者たちも,その中に投げ込まれる。94
   
またイブリース(悪魔)の軍勢も全部一緒に。95
   
かれらはそこで,口論して言うであろう。96
   
「アッラーに誓って言います。わたしたちは明らかに誤っていたのです。97
   
万有の主と同位に,あなたがたを配したのですから。98
   
わたしたちを迷わせたのは,罪深い者たちに外ならない。99
   
それでわたしたちには,誰も執り成す者もなく,100
   
一人の真の友もないのです。101
   
わたしたちがもう一度返ることが出来るなら,本当に信者の仲間に入るのですが。」102
   
本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。103
   
本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深くあられる。104
   
ヌーフの民も,使徒たちを信じなかった。105
   
かれらの同胞のヌーフが,かれらに言った時を思い起しなさい。「あなたがたは,主を畏れないのですか。106
   
本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。107
   
それでアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。108
   
わたしは,それに対しあなたがたに報酬を求めません。わたしへの報酬は,只万有の主から(いただく)だけです。109
   
だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。」110
   
かれらは言った。「最も卑しい者たちがあなたに従っているというのに,わたしたちまであなたを信じるのですか。」111
   
かれ(ヌーフ)は言った。「かれらが行っていることに就いて,わたしが何を知りましょうか。112
   
かれらの清算は,只わたしの主に属するのです。もしあなたがたが理解するならば。113
   
またわたしは,信仰する者たちを追い払いません。114
   
わたしは公明な一人の警告者に過ぎないのです。」115
   
かれらは言った。「あなたが止めないなら,ヌーフよ,必ず石打ちにされるでしょう。」116
   
かれは(祈って)言った。「主よ,本当にわたしの民はわたしを嘘付きであると申します。117
   
それでわたしとかれらの間を,確り御裁き下され,わたしと,わたしと一緒の信者たちを救って下さい。」118
   
そこでわれはかれと,かれと一緒の者たちを,満戦した舟の中に救ってやった。119
   
それからわれは後に残った者たちを溺れさせた。120
   
本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。121
   
本当にあなたの主,かれは偉力ならびなく慈悲深くあられる122
   
アード(の民)も,使徒たちを嘘付きであるとした。123
   
かれらの同胞のフードがかれらに言った時を思い起せ。「あなたがたは主を畏れないのですか。124
   
本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。125
   
だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。126
   
またわたしは,このことであなたがたに報酬を求めません。わたしへの報酬は,只万有の主から(いただく)だけです。127
   
あなたがたは高地という高地に悪戯に碑を建てるのですか。128
   
またあなたがたは(永遠に)住もうとして,堅固な高楼を建てるのですか。129
   
あなたがたは暴力を振う時,暴虐者のように振舞うのですか。130
   
アッラーを畏れ,わたしに従いなさい。131
   
あなたがたが知る程のものを,授けられる方を畏れなさい。132
   
かれは数々の家畜と子孫を,あなたがたに授けられ,133
   
また果樹園や泉をも授けられた。134
   
わたしはあなたがたに加えられる偉大な日の懲罰を本当に恐れる。」135
   
かれらは言った。「あなたが説教しても説教しなくても,わたしたちにとっては同じことです。136
   
本当にこれは,昔のやり方に外なりません。137
   
わたしたちは懲罰されないのです。」138
   
かれらは,かれを嘘付きであるとした。そこでわれはかれらを滅ぼした。本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。139
   
本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深い御方であられる。140
   
サムード(の民)も,使徒たちを嘘付きであるとした。141
   
かれらの同胞サーリフが,かれらに言った時を思い起しなさい。「あなたがたは主を畏れないのですか。142
   
本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。143
   
だからアッラーを畏れわたしに従いなさい。144
   
わたしはあなたがたにこのことで報酬を求めない。わたしへの報酬は,只万有の主から(いただく)だけです。145
   
あなたがたはここで,いつまでも安泰でいられましょうか。146
   
果樹園や泉,147
   
穀物畑や,見事な若実を付けるナツメヤシの園,148
   
また(岩)山に,あなたがたが巧みに家を切り穿っても(安泰であり得ようか)。149
   
だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。150
   
あなたがたは,無法な常軌を逸した者の命令に,従ってはなりません。151
   
かれらは地上に危害を引き起す者で,(悪弊を)矯正する者ではありません。」152
   
かれらは言った。「あなたは(ほ?)かれた者に過ぎません。153
   
あなたは,わたしたちと同じ一人の人間に過ぎません。あなたの言うのが本当なら,わたしたちに印を(西?)しなさい。」154
   
かれ(サーリフ)は言った。「ここに一頭の雌ラクダがいます。それにも水飲み日があり,またあなたがたにも,(それぞれ)決められた水飲み日があります。155
   
偉大な日の懲罰があなたがたを襲わないよう,それに害を加えてはなりません。」156
   
だがかれらは,その腱を切って不具にし,たちまち後悔することになった。157
   
それは懲罰がかれらを襲ったからである。本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。158
   
本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深い御方であられる。159
   
ルートの民も使徒たちを嘘付きであるとした。160
   
同胞ルートが,かれらに,「あなたがたは主を畏れないのですか。」と言った時を思い起しなさい。161
   
「本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。162
   
だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。163
   
わたしはあなたがたにこのことで報酬を求めません。わたしへの報酬は,誰々万有の主から(いただく)だけです。164
   
あなたがたは創造された者の中男だけに近付き,165
   
主があなたがたのために創られた配偶者を顧みないのですか。いや,あなたがたは罪を犯す者です。」166
   
かれらは(答えて)言った。「いい加減止めないなら,ルートよ,あなたは必ず追放されるでしょう。」167
   
かれ(ルートは)言った。「わたしは,本当にあなたがたの行いを忌み嫌っています。168
   
主よ,わたしとわたしの家族を,かれらの所業から御救い下さい。」169
   
それでわれは,かれとかれの家族を凡て救った。170
   
後に残った,老女(ルートの妻)は別であったが。171
   
それから,われは外の者を滅ぼした。172
   
われは,(石の)雨をかれらの上に降らせた。警告されていた者たちには,災厄の雨であった。173
   
本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。174
   
本当にあなたの主は偉力ならびなき慈悲深き御方であられる。175
   
森の人びとも使徒たちを嘘付きであるとした。176
   
シュアイブがかれらに,「あなたがたは主を畏れないのですか。」と言った時を思い起しなさい。177
   
かれ(シュアイブ)は言った。「本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。178
   
だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。179
   
わたしはあなたがたにこのことで報酬を求めない。わたしへの報酬は,唯々万有の主から(いただく)だけです。180
   
計量を十分に与え,損をさせてはなりません。181
   
正確な汗で計り,182
   
他人のものを詐取してはなりません。また迷惑を及ぼす行いをして,地上を退廃させてはなりません。183
   
あなたがたと前の世代の者たちを創られた方,かれを畏れなさい。」184
   
するとかれらは言った。「あなたは(思?)かれた者に過ぎません。185
   
あなたはわたしたちと同じ一人の人間に過ぎません。どう考えてもあなたは虚言の徒です。186
   
あなたの言うことが真実なら,天の一角をわたしたちの上に落としなさい。」187
   
かれ(シュアイブ)は言った。「わたしの主は,あなたがたのすることをよく知っておられます。」188
   
だがかれらはかれを嘘付きであるとした。それであの陰惨な日の懲罰がかれらを襲った。それは本当に厳しい懲罰の日であった。189
   
本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。190
   
本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深い御方であられる。191
   
本当にこの(クルアーン)は,万有の主からの啓示である。192
   
誠実な聖霊がそれをたずさえ,193
   
あなたの心に(下した)。それであなたは警告者の1人となるために,194
   
明瞭なアラビアの言葉で(下されたのである)。195
   
このことは,既に昔の啓典の中に記されている。196
   
イスラエルの子孫の学者たちがこれを知っていることは,かれら(マッカの多神教徒)にとって,一つの印ではないのか。197
   
われが,もしこれをアラブ以外の誰かに啓示したならば,198
   
かれがそれを読誦しても,人びとはそれを信じなかったであろう。199
   
このように,われは罪深い者たちの心の中に,それ(啓示の一部)を入らせた。200
   
それでもかれらは痛ましい懲罰を見るまでは,この(クルアーン)を信じないであろう。201
   
だがその(懲罰)は,かれらの気付かない中に突然襲いかかるであろう。202
   
その時かれらは,「わたしたちは猶予されないのですか」と言おう。203
   
それでもかれらは,われの懲罰を急がせようというのか。204
   
あなたはどう思うのか,われがかれらに幾年間も(の現世の生活を)享楽させても,205
   
なお,かれらに約束されたこと(天罰)が来るとすれば,206
   
享楽させてもらったことが,かれらにとり何の益になろうか。207
   
われは警告者を(前もって)遣わさずに何如なる町も滅ぼさなかった。208
   
(また)気付かせ(た後で)なければ。われは決して不当なことを行うものではない。209
   
また悪魔たちがこれ(啓示)を(湾?)すこともないのである。210
   
それはかれらに相応しいものでもなく,またかれらには(そんな)能力もない。211
   
かれらは,啓示を聞くことから遠ざけられている。212
   
それでアッラーと一緒に,外のどんな神にも祈ってはならない。さもないとあなたも懲罰される者の仲間となろう。213
   
あなたの近親者に誓告しなさい。214
   
またあなたに従って信仰する者には,(愛の)翼を優しく下げてやりなさい。215
   
かれらがあなたに従わないなら,「あなたがたが行うことは,わたしに関わりはありません。」と言ってやるがいい。216
   
偉力ならびなく慈悲深き御方に(後は)御任せしなさい。217
   
あなたが(礼拝に)立つのを見ておられる方に,218
   
またサジダする者たちの間での,あなたの諸動作を(も見ておられる方に)。219
   
本当にかれは全聴にして全知であられる。220
   
われは,悪魔たちが誰の上に下るのかあなたがたに告げようか。221
   
かれらは,凡ての嘘付きの徒の上に下る。222
   
(悪魔の話に)耳を貸す(者)の多くは嘘付きの徒である。223
   
また詩人たちのことだが,(悪魔に)唆かされた者たち(だけ)が,かれらに従う。224
   
あなたは,かれらが凡ての谷間をさ迷い歩くのを見なかったのか。225
   
またかれらは,自分の行いもしないことを口にするではないか。226
   
信仰して善行に動しむ者,またアッラーを多く唱念し,迫害された後には自らを守る者は別である。不義を行った者たちは,どんな変り方で,移り変っていくかを,やがて知ることになろう。227
   
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